住まいの省エネについて
- 2012/12/10
- 12:41
建築家大会も終了し、先週は完全と仕事モードに突入、いくつかの進行中物件の情報整理を行いながら、週末のコンペもなんとか無事提出し、ほっと一息。しかしながら、改装工事の打ち合せのため、日〜月は大阪出張。なかなかゆっくりできそうもありません。有り難い話ですが。
さて直前となってしまいましたが、今週12日(水)LIXIL:GINZA(旧INAX)にて「住まいの省エネ再考〜建築家の考えるエコな住まいと暮らし〜」というセミナーが開催されます。講師は、住宅部会のメンバーである、飯沼竹一さんと連健夫さん。先輩なので恐縮ですが、私がコーディネーターを務めさせて頂く予定です。もしご興味があれば、下記のLIXILの頁からお申し込み頂き、ぜひ御参加下さいませ。
詳細はこちら
LIXIL:GINZAのサイト(申込はこちらから)
セミナーについては講師のお二人に、ほぼお願いする形になりますが、設備やシステムに頼らない、建築家が考える暮らしの視点で、エコについて話を進めたいと思っています。
ところで、家庭で何にエネルギーが使われているか、ご存知でしょうか?
下記のグラフは、家庭で使われるエネルギーの用途別の消費割合を示しています。

これをご覧になってわかることがいくつかありますね。
まずは、おもいのほか「暖房」にエネルギーが使われていること。勿論、寒い地方になれば、より暖房比率は高くなり、暖かい地方にいくと少なくなります。ただ冷房が暖房を越えるのは、かなり南の沖縄ぐらい。ほぼ日本全土で暖房が大きな割合をしめているようです。(冷房時のエアコンは、消費電力は高めですが、ヒートポンプという方式によって変換効率が良いので、暖房に比べるとエネルギー消費は少なくなります)
また次に大きいのが「給湯」これもかなりの割合を占めています。そしてコンピューターや電化製品の普及や大型化、多様化によって「動力・照明ほか」の割合も毎年増えていますが、反面省エネ機器の増加により、伸びは徐々にという状況でしょうか。
これをふまえて「省エネ」を効果的に実現するには、全体の半分以上を占めている「暖房・給湯」のエネルギーをまず減らすということ。もちろん節電をしたとしても、その分、ガスや灯油をたくさん使ってしまえば、本質的な省エネにはならないのでご注意下さい。
我々が省エネを考える時には、まず建物の基本性能を高めること=つまり屋根・壁・床、そして開口部(窓やドア)の断熱性・気密性能をたかめて、少ないエネルギーで効率的に快適性を得る、ということからスタートします。(コップでなく魔法瓶をつくるということですね)ただなるべくなら冷暖房設備には頼りたくないもの。そこで自然の恵みでもある「太陽」や「風」を上手に取り込んで、快適な「パッシブな住まい」をつくるよう心がけています。四方に窓を設けて、通風を確保したり、夏場の日射熱を遮る工夫をしたり、逆に冬には太陽が部屋の奥まではいる工夫をしたり。。など。最近は、冬場の暖房に「床下暖房」を採用することが増えてきました。暖気と冷気を上手にコントロールして温熱環境を整えれば、エネルギー消費を減らしても、かなり快適に暮らせます。太陽熱利用の暖房(OMソーラーやそよかぜ)を採用できれば、なお理想的です。
また、エネルギーをつくりだす太陽光発電や、太陽熱利用の給湯システム(実は一番エネルギー効率が良かったりする)も、イニシャルコストが問題なければ、ぜひ採用していきたいものです。再生可能エネルギーである木質ペレットストーブなども良いですね。
ただ最も大事なことは、設備やシステムに頼らずに、そこで暮らす住まい手が、いかに省エネを暮らしの中で実践できるかということ。省エネの工夫をしたからといって、無駄が多い使い方をしていては、全く意味がありません。例えば、風呂は冷めないうちに、入れ替わりで入る、、とか、なるべく家族がひとつの部屋に集まって活動すれば、照明や冷暖房が少なくてすむ、、など、工夫して楽しみながら実践できることが長続きの秘訣。環境と人間の体に優しい省エネな暮らし、ぜひトライしてみて下さい。
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さて直前となってしまいましたが、今週12日(水)LIXIL:GINZA(旧INAX)にて「住まいの省エネ再考〜建築家の考えるエコな住まいと暮らし〜」というセミナーが開催されます。講師は、住宅部会のメンバーである、飯沼竹一さんと連健夫さん。先輩なので恐縮ですが、私がコーディネーターを務めさせて頂く予定です。もしご興味があれば、下記のLIXILの頁からお申し込み頂き、ぜひ御参加下さいませ。
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セミナーについては講師のお二人に、ほぼお願いする形になりますが、設備やシステムに頼らない、建築家が考える暮らしの視点で、エコについて話を進めたいと思っています。
ところで、家庭で何にエネルギーが使われているか、ご存知でしょうか?
下記のグラフは、家庭で使われるエネルギーの用途別の消費割合を示しています。

これをご覧になってわかることがいくつかありますね。
まずは、おもいのほか「暖房」にエネルギーが使われていること。勿論、寒い地方になれば、より暖房比率は高くなり、暖かい地方にいくと少なくなります。ただ冷房が暖房を越えるのは、かなり南の沖縄ぐらい。ほぼ日本全土で暖房が大きな割合をしめているようです。(冷房時のエアコンは、消費電力は高めですが、ヒートポンプという方式によって変換効率が良いので、暖房に比べるとエネルギー消費は少なくなります)
また次に大きいのが「給湯」これもかなりの割合を占めています。そしてコンピューターや電化製品の普及や大型化、多様化によって「動力・照明ほか」の割合も毎年増えていますが、反面省エネ機器の増加により、伸びは徐々にという状況でしょうか。
これをふまえて「省エネ」を効果的に実現するには、全体の半分以上を占めている「暖房・給湯」のエネルギーをまず減らすということ。もちろん節電をしたとしても、その分、ガスや灯油をたくさん使ってしまえば、本質的な省エネにはならないのでご注意下さい。
我々が省エネを考える時には、まず建物の基本性能を高めること=つまり屋根・壁・床、そして開口部(窓やドア)の断熱性・気密性能をたかめて、少ないエネルギーで効率的に快適性を得る、ということからスタートします。(コップでなく魔法瓶をつくるということですね)ただなるべくなら冷暖房設備には頼りたくないもの。そこで自然の恵みでもある「太陽」や「風」を上手に取り込んで、快適な「パッシブな住まい」をつくるよう心がけています。四方に窓を設けて、通風を確保したり、夏場の日射熱を遮る工夫をしたり、逆に冬には太陽が部屋の奥まではいる工夫をしたり。。など。最近は、冬場の暖房に「床下暖房」を採用することが増えてきました。暖気と冷気を上手にコントロールして温熱環境を整えれば、エネルギー消費を減らしても、かなり快適に暮らせます。太陽熱利用の暖房(OMソーラーやそよかぜ)を採用できれば、なお理想的です。
また、エネルギーをつくりだす太陽光発電や、太陽熱利用の給湯システム(実は一番エネルギー効率が良かったりする)も、イニシャルコストが問題なければ、ぜひ採用していきたいものです。再生可能エネルギーである木質ペレットストーブなども良いですね。
ただ最も大事なことは、設備やシステムに頼らずに、そこで暮らす住まい手が、いかに省エネを暮らしの中で実践できるかということ。省エネの工夫をしたからといって、無駄が多い使い方をしていては、全く意味がありません。例えば、風呂は冷めないうちに、入れ替わりで入る、、とか、なるべく家族がひとつの部屋に集まって活動すれば、照明や冷暖房が少なくてすむ、、など、工夫して楽しみながら実践できることが長続きの秘訣。環境と人間の体に優しい省エネな暮らし、ぜひトライしてみて下さい。
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